ひとりでも楽しい観劇・旅行

観劇と旅行が好きな地方民

レ・ミゼラブル 松本公演感想 10/2 ソワレ

観劇してから一か月以上経ってしまいましたが、10月2日、3日、とレ・ミゼラブル松本公演を観劇してきました。

遠征先での思い出は別記事に上げていますのでよろしければご覧ください。

 

私がミュージカルにハマったきっかけの一端を担っているのがレ・ミゼラブルで、友達と映画館で観た劇場版にドハマりしました。その後、初めてレ・ミゼラブルを生で観劇したのが2017年の帝国劇場。その時のキャストが、

ジャンバルジャン:ヤンジュンモさん

ジャベール:吉原光夫さん

という神キャスト…!でも初めてのレミゼ観劇だったので、当時の観劇ノートを見るとただただ歌声に圧倒されている私(笑)まともな感想が残ってませんでした。吉原さんジャベールもヤンさんバルジャンも今は見られないキャストなのでもっと感想ちゃんと書いとけよ、と思います。ああまたこのキャスト陣でも見たい~~。

 

 

前置きが恐ろしく長くなりましたが、今回の感想です。

コロナで地方からの東京遠征が厳しかったこともあり、松本での公演はとてもとてもありがたかった。福岡公演ではキャスト・スタッフの感染もあり公演が一部中止になったりしていたので、松本公演が開催されるか心配していましたが無事に開催が決まりました。チケットを取って楽しみにしていたお客さん、それまで練習を積み重ねてきたキャストさん、スタッフさん、皆さんやりきれない思いでいっぱいだったと思います。早くコロナが収束してくれることを心から祈ります。

 

まずは10月2日公演、ソワレです。

キャスト表はこんな感じです。

f:id:alice9359:20211115221229p:plain

ジャン・バルジャン  吉原光夫

ジャベール      川口竜也

ファンティーヌ    二宮愛

エポニーヌ      生田絵梨花

マリウス       内藤大希

コゼット       熊谷彩春

テナルディエ     六角精児

マダム・テナルディエ 森公美子

アンジョルラス    小野田龍之介   敬称略

 

吉原バルジャンと川口ジャベール。このお二人の組み合わせが大好きなので狙って取りました。追加公演を除くと、松本公演ではこの公演でしか見られなかったので、チケットが取れたのは幸運でした。

 

2年ぶりのレ・ミゼラブル。本当に本当に見に行ってよかったです。

まず、今回の会場であったまつもと市民芸術劇場。ここがとても素晴らしい劇場だったんです。サイトウ・キネンのために作られたホールらしく、音響がかなりいい!生のオーケストラの音が綺麗に響いて、耳だけじゃなく全身で音を感じられる。今まで見た中で一番音響がいいと思ったホールは札幌のhitaruなんですが、そこと同じかそれ以上の良さを感じました。座席も前後の列で段差が大きく、前の人の頭を一切気にせず鑑賞できました。観劇において大きなストレスになる前の人の頭問題。それを気にしなくていいのはいいですね。こんなに素晴らしいホールがあるのなら、これからもいろんな作品が松本を回ってほしいですね。

 

吉原さんのバルジャン、2年前の公演で初めて見て、その優しさ溢れる演技と、綺麗な高温が響く「Bring him home」で大好きになりました。今回の公演でもそれは健在で、彼の世界にぐんぐん引き込まれていきました。

吉原さんのバルジャンで一番好きなシーンが、エピローグなんです。駆けつけてくれたコゼットを見る嬉しそうな表情とか、見つめる瞳から伝わる愛おしい気持ちとか、とにかく全身から溢れているコゼットが大好きな優しいパパ感。

「言うとおりに、生きて、生きてみよう」の歌詞と歌い方で毎回涙腺をやられています。もう自分の死期は悟っているのに、コゼットの「生きてほしい」という望みに「仕方ないなあ」という顔で微笑んで、小さな子供に言い聞かせるように答えるのが本当に好きです。その後マリウスの方を見てコゼットを彼に託すんですよね。これを書いている今も思い出して少し泣きそうです。天に召された後も、エピローグを歌う間、吉原バルジャンはずっとコゼットの方を見つめているんです。その時の優しい表情を見ると胸がいっぱいになります。バルジャンの優しさと学生たちの強さ、彼らの希望はマリウスとコゼットが引き継いで、彼らが夢見た明日へと繋いでいってくれる。そんな風に思わせてくれます。ああ~~言葉にならない。観劇後1か月以上経ってるのに思い出して感想を書いてるだけで思いがあふれる。レ・ミゼラブルが大好きだ。(語彙力)

 

そして川口さんのジャベール。劇団四季作品、ノートルダムの鐘でフロローを演じていたことで川口さんを認識したのですが、その時の演技が本当にツボで。その後見た2019年公演のジャベールでも見事彼の演技にハマったのです。川口さんのジャベールはとにかく「人間臭い」。この一言に尽きます。法に従うことが全てで生きてきた所謂堅物刑事のイメージが強いジャベール。川口さんのジャベールももちろんそうなんですが、バルジャンと対峙するたびに変わっていく心情とか、戸惑いが伝わってきて思わずジャベールに感情移入してしまいそうになります。川口ジャベの歌う「ジャベールの自殺」は本当に圧巻!ジャベールにとって従うべきは法律で、それだけを信念として生きてきました。罪人のバルジャンに命を救われたこと、彼の行いが「悪」といえるのか分からなくなってしまったこと。彼の生きる意味ですらあった「法」に疑念を抱いてしまうわけです。自分の信念を曲げることができない、でもバルジャンを捕まえることもできない、彼の演技からはそんな戸惑いと絶望がひしひしと伝わってくるのです。

最近気づいたのですが、「ジャベールの自殺」とバルジャンの「独白」は同じメロディを使っているのですね。どちらも自分の信念や、当たり前としていた考えと向き合う内容ですが、2人の出した結論は真逆でした。まさにコインの表と裏のように、最後まで正反対の2人の対比がとてもエモい…(突然の語彙力低下)

 

3日のマチネ公演、川口さんが千秋楽ということでご挨拶をされていました。ご挨拶の内容からして、今回のレミゼで区切りになってしまうのかなあ、と少し推察してしまいました。まだまだこれからも彼のジャベールを見たいので本当にそうなら悲しいな、と思います、、

でもロングラン公演では役者交代という宿命からは逃げられませんので…まだ次回公演の詳細は分かりませんが、もし今回が最後でも後悔のないように観劇できて本当に良かったです。

ジャベールとバルジャンの2人が好きすぎて、このお二人ばっかりの感想になってしまいました。文字数が多くなってしまったので10/3マチネ公演はまた別で記事を書こうかなと思います。

チラシの裏レベルの観劇オタクの感想を読んでくださった方、本当にありがとうございました。また何かの記事でお会いできれば!